好きなアーティストさんから、まったり日常まで。
あなたの心の隙間をお埋めし・・・(違)
映画Double Tap(鎗王)
の予告編映像です。
基本的に、怖い・痛い系統の映像は苦手なので見ませんし、好きになりませんが。
この映画に限って好きです。
私が好きなレスリー・チャン主演の映画。
Double Tap。
内容としては。
IPSCという実際にもある、射撃競技会から始まります。
障害物がある中、対象物に正確にかつ早く射撃をするのを競う競技。
改造銃を作ることを生業としている射撃の名手Rick(レスリー)と 警察であるMiu(方中信)のハイレベルな争い。お互いの力量を認識しあう2人。
そんな中、株の暴落により精神的に不安定になってしまったMiuの知人が銃を持って会場に乱入。
発砲しながら騒ぐ知人。逃げ惑う観客。
一種即発の時。動いたのはRickでした。彼は競技と同じように頭を狙い、乱入者を1発で射殺することになります。
事件の後、Rickは人を撃つことの快感に目覚めてしまい、Miuは自分が躊躇したために知人を死なせてしまったことに後悔することに。
3年後、ホテルで射殺死体が発見される。
警官であるMiuはその現場の銃の弾痕がDOUBLE TAPであることに、それができる人間としてRickを思い出す。
(DOUBLE TAPというのは、射撃競技会の専門用語で、紙型上に続けざまに2発の発射で、この2發で真ん中に8の字を描くという、最高難度の射撃法。)
浮かび上がる容疑者を事情聴衆する中に、Miuが犯人だと確信したRickもいた。
Rickはそこで、自分の仕業だとほのめかす。Rickは、人を銃で殺した瞬間、銃の力に魅せられてしまっていた。
しかし証拠が無いため、Rickを別件逮捕しようとする。が、RickのガールフレンドであるColleenが身代わりになり逮捕される。
彼女を取り戻すために、警察へ行くRickだったがColleenを返さない、と挑発され捨て台詞を残し去るRick。
警察が彼を追い詰めるほど、Rickは怒り、より殺人者としての道を歩み始める。
釈放しないと、警官を独りずつ殺すと宣言し、そのとおりに実行しはじめていく。Colleenを取り戻すために、Miuの周辺の人間を殺し始める。しかし、Rickは次第に、良心の呵責と銃への狂気にとりつかれて精神的に
壊れていく。
Miuも防ぎようもなく、部下を殺されていく自責の念と焦燥感の中、自分自身の中にもRickと同じような狂気があることに戸惑い、それでも妻に
救われていた。
そして、ついに人混みの中で、決着のつかなかったあの日の競技が始まるのであった。
というもの。映画の中で伝えたいことは、銃は恐ろしいこと、だったというだけあって銃の描写が細かい。
その上、銃の撃ち合いになるようなシーンが、ただただ坦々としていてそれがまた怖い。銃の発砲される音も、よくある映画のように派手ではなくて
それがより現実味を帯びています。
ストーリーからいっても、どう考えても怖そうで痛そうだったこの映画。
確かに、痛い!!痛いよ!!!というシーンもあるのですが、けれどその場面すら、むしろその場面にこそ魅入るような映画でした。
それはレスリー演じるRickの冷めた表情。銃で人を撃っている時ですら無表情。目だけが冷たい。動揺することも、何かの感情も出すことなく坦々と人を追い詰めながら銃を撃っていく様は怖さを通り越して、強く惹かれるものがありました。
それとは反比例のように、焦り怯え、恐怖の混乱の人たち。コントラストが壮絶すぎます。
彼の演技力は高いなとブエノスアイレスを見たときにも思ったのですが、この映画の彼も本当にすごい。
事情聴衆されている際、雇い主であるヤンと同室にするとういう警察の案への賞賛。
Rickの面白そうに殺人事件のその時の様子を聞いている表情。
怖いくらいの笑顔で、最後には素晴らしい!!と言わんばかりの拍手。この場面のRickは壮絶な狂気を帯びていますね。
自分の雇い主に、Colleenの解放を依頼し、今はまず高飛びしろと断られ、もうひとつ頼みがある、と言うRick。
分かったよ、なんだ言ってみろ、と振り返った瞬間の目の前での射撃。
撃ったときの目線から、雇い主の倒れたところへ目線を下げるのですが、その視線をとっても、すごい。
感情のこもらない目で、死体を見て、「ありがとう」
怖すぎ!!そして、その冷徹なところがすごい。
それと同時に、心の葛藤に苦しむRickというのも演じきっていてレスリーのすごいさにただただ感服ですね。
この映画、例えば変な話、このRick役の演技力が低かったら、真実味もない非常に浅い映画になってしまったと思うのですよね。
ストーリーとしては・・・・そもそも警察がRickを挑発するから余計に殺人が増えたのに、なんて理不尽なっ!!と思わなくもないのですが(笑)
なにが正義でなにが悪か、というよりも銃の魅力に憑かれた2人の男の話なんだろうな・・・・。
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